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第5話 社長の力

Author: satomi
last update Last Updated: 2025-12-01 08:03:15

 先日のプレゼン対決で副社長の私が負けてしまった。という事はすでに会社の噂になっていた。

「副社長の何が不満だったの?」

 そんなのはこっちが聞きたい。今までが順風満帆だっただけに衝撃が大きい。

「実は副社長って七光りってやつじゃねー?」

 今まで恩恵を受けておいていきなり何を言いだすのか、愚かな奴を雇っていたんだなと思った。

 私はその発言をした男を解雇したが、余計に私の支持率を下げることとなった。

「事実を言われたから……」

 あー、これは説明した方がいいかなぁ?

「違うわよ!」

「「「社長!」」」

「今まで副社長の恩恵を受けて仕事をしてきたっていうのに、たかだか1回ミスったくらいで手のひらを返したような発言。愚かしいでしょ?そんな愚かな人間を雇うような趣味はないのよ。上層部は1度のミスも許されないのかしら?そんなことはないでしょう?」

「そ、そうよね。確かに一度くらいミスるわよ」

「副社長になってからずーっとぐーたらしてるんならまだしも、社のために粉骨砕身働いてるんもんな」

「そうよ!」

 社長の言葉で私の立場が元に戻った。と言っても、今後も精進していかなきゃならないのは変わらないけど。

 私がこの会社を継ぐんだからしっかりしないと!颯斗には家政婦頑張ってもらおう。ん?家政婦。颯斗だってそのうち結婚して家庭を持つようになるわよね。うん、その大黒柱として恥ずかしくないほどの給与を渡さないと!

「副社長!颯斗君はその後どう?うふふっ」

「社長、その話は副社長室なんかでじっくりとしましょう?こんな公衆の場でなくて」

 私と母は、副社長室に移動した。私の秘書にも秘書室の方に行くように指示を出し、二人きりになるようにした。

「どう?って颯斗はとてもよくしてくれますよ?作る料理は大体美味しいですし?」

「あ~ん、そうじゃなくて。颯斗君本人よ!」

「もっさいですよね~。さすがは母です。人脈がスゴイですね~」

「もっさい?颯斗君が?いつもビシッとスーツ姿で髪型も決まってて、凛としてるのに違うの?」

 それは誰?

「うちにいる颯斗と別人じゃないですか?」

「その‘颯斗’の名字は?」

「あ、そういえば聞いてないなぁ。料理が美味しくて♡」

「私が派遣したのは、‘舘塚颯斗’よ?」

 タチヅカ ハヤト?

 嘘でしょ?その颯斗に洗濯させてる。下着まで。

「冗談。もっさい男よ?オトメンだし」

「颯斗君、オトメンなのよ。舘塚産業の会長にオトメンでもいい人いないかねぇ?って常々言われてたのよ。颯斗君は見た目イケメンでしょ?美咲も我が子ながらわりかしいい方だと思うし。舘塚産業と業務提携ついでに二人がくっつけばって舘塚産業の会長と話してたのよ~」

 殺、颯斗。食べ物に誤魔化されないんだから!

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